君の言葉を胸に
「俺のじいちゃんが生まれたときさ、じいちゃんは泣いていた。
それで、周りの人は笑ってたんだ。
でもさ、今は違う。
じいちゃんは死んじまって、周りの人が泣いている。
泣いてもらえるなんて、じいちゃんも幸せ者だよな。
俺も、そんな人になりたい」
「……」
なれるさ、あんたなら。
あんたのおじいさんみたいな、立派な人にな。
「あーあ。腹減ったね。食べに行かない?」
「だな。今回だけはおごってやるよ」
「まじ?やった!!!んじゃね、唐揚げとスパゲッティと…」
「焼き肉定食な」
「うわっ。一番安いやつじゃん」
「特別にアイスもつけてやるよ」
「ラッキー!!」
ほんと、単純なやつだ。
俺は、唐揚げとスパゲッティを食べようかな。
いつかこの人のようになるために。
この人はきっと、立派な人になるから――。