君の言葉を胸に





2枚目も、3枚目も、手紙の内容は全部俺のことだった。


そのどれもに、俺が記憶を無くした理由と、そのときの俺のことが書いてあった。


読むたび、涙が溢れる。


読んでるとき、涙が途切れることはなかった。


「……っ、ぐっ」


「何泣いてんだよ…」


原和田ぁ……。


「何これ、何で松山さんに報告してんの…」


「……お前は言えないから」


何だよ原和田…。


泣かせるなよ。


俺は涙を拭いた。


「松山さん、…ありがとう…。本当に、ありがとうっ…」


松山さんに向かって、一言一言を大事に言う。


松山さんに届くように。





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