君の言葉を胸に
切符を買って電車に乗り込む。
「……はあっ、は、ぁ……。はあーっあ」
最後にいつも通りのため息をついて、息を整える。
待ってろよ、紗菜。
俺は伝える。
必ず伝えるよ、君に。
駅に着き、電車を降りる。
改札口を抜け、また走った。
何度も人にぶつかった。
それでも前へ、前へと足を進めた。
「はあ……はあ…」
やっと…
「着いた…」
紗菜の住んでるマンションに着き、3号室のドアをノックする。
お願いだ、いてくれ。
出てきてくれ…!
「はーい。…野村?」
「紗菜っ……!」
俺は彼女を抱きしめた。