君の言葉を胸に
「野村!?」
「紗菜…聞いてくれ」
少しだけ離れ、紗菜の肩を掴んだ。
「俺、お前のこと、好きか分からない」
「……うん」
「でも…。他の女とは違うから」
「うん…」
軽く深呼吸をする。
緊張する。
声が震える。
自分の鼓動でおかしくなりそうだ。
「…俺、お前と付き合ったら兄妹に見られるんじゃないかとか、くだらないことばっか考えてた」
「……うん」
「紗菜といると息苦しいんだ。…理由、分かんなかったけど、今なら分かるよ」
「うん…」
「紗菜といると緊張するんだ…。……こんな気持ち、初めてなんだ」
「うん…」
「好きか分からないけどさ、多分、いい方向に進んでるから…」
「うん…!」
「その…。……期待、していいと思う」
「うん!」