君の言葉を胸に
原和田はため息をついてから、こう言った。
『恋はするものじゃない。落ちるものだ』
…………ぷっ。
「くっせー!」
久々に大笑いした。
『失礼だな!てかさ、分かってる?』
失礼なのはお互い様だ。
「なにが?」
『結婚したら、お前、俺の弟になるんだよ』
……………?
……………!!
そ、そうか…。
多田さんと原和田が結婚して、多田さんの妹の紗菜と俺が結婚したら…
あの二人の弟…?
なにそれ、絶対ヤダ。
「つか、気がはえーよ!紗菜はまだ高校生だ!」
『女は16になれば出来るんだぜ!』
「ばか!」
そう言い捨てて、通話を切った。