君の言葉を胸に
後ろを振り向くと、紗菜が不思議そうな顔をしていた。
原和田と話したことを思い出し、少しだけ動揺。
顔が熱くなる。
「紗菜…」
紗菜はニッと笑う。
「野村、可愛い」
「………は!?」
「今日の野村ね、表情豊かで可愛いよ」
…可愛いって言われるのは、複雑な気分だ。
「あ、またなんか考えてる」
うっ…紗菜は鋭いな。
「何でも言って。私、野村のこと全部知りたい…か、ら…」
固まる紗菜。
理由は、俺がキスしたから。
「ちょ、野村ぁあ!?」
紗菜は顔を赤くした。
「はは、可愛い」
「………ばか野村」
すねた。
可愛い…。
…なんか俺、変態。