君の言葉を胸に
屋上を出ると、松山さんは立ち止まった。
「……松山さん?」
「原和田くん、大丈夫かな?」
大丈夫って…
「大丈夫だろ、…あいつは」
松山さんは、驚いた顔をした。
「仲良いんだ」
笑いながら言う松山さんを、可愛く思った。
「……はは、全然。」
「………笑った」
松山さんは顔を赤くして言う。
「笑った、笑った!野村って笑うんだ!?可愛い!もう一回!もう一回笑って!!!」
「え、ちょ…」
「可愛い~!ね!可愛いよ!お願い笑って~」
せがむ彼女を見て、可愛くて笑った。
「はは、ははっ!はははは!」
「ちょ、なんで爆笑!?」
「ツボ…ツボに、くくく…ツボに入った…!!」
「なんでぇ!!?」
その後、次の授業をサボってまで、俺らは笑っていた。