君の言葉を胸に
原和田はいないのに、肩はまだぶつかっていて。
触れる肩と肩が熱い。
なんか、この空気ダメ。
「あの「あのさっ」」
「………」
見事ハモった。
「……」
いや、そこはいいんだ、どうでも。
松山さんは俺の方を向いていて、俺は松山さんの方を向いている。
肩と肩は、まだ触れ合っていて。
ち、近い……。
身動きなんかとれない。
「あ、の、ね…?」
松山さん、顔赤いよ。
そのまま喋らなくてもいいよ。
無理に話すことはない。
だって俺も、顔熱い。