君の言葉を胸に





そこで触れる手と手。


「……!!」


ありえないぐらいの熱を帯びた体温が手に集中する。


俺はそっと、松山さんの手に自分の手を重ねた。


「………ふわっ!」


変な言葉を発して、彼女は倒れた。


ちょ、死んだ?


「……大丈夫か?」


もちろん、手は繋いだまま。


「ダメ、です…」


顔、赤い。


顔、熱い。


そっか、俺ら緊張してるのか。


手を離して彼女を起こそうとすると


「手っ!離しちゃ、ダメ……です」


「………はい」


ああ。可愛いな。


素直にそう思った。


彼女を見ていると、思わず笑顔になる。





< 26 / 180 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop