君の言葉を胸に
しばらくそんな時間が続いていた。
「あ……」
これは…
「流れ星」
「うそっ!?」
松山さんは勢いよく飛び上がった。
流れ星は一回しか流れず、松山さんは見れなかったらしい。
「残念…」
「まあ、俺も見えたのは一瞬だよ」
「やっぱり、流れ星見つけるのは難しい…」
松山さんは少し悲しそうな顔をした。
「野村なら、見つけられるのにな…」
「え?」
「んーん。何でもない」
彼女は笑う。
俺は繋いでない方の手で松山さんの頬に手をあてる。
やっぱ顔近い……。
「俺のこと、見つけなくてもいい。俺が松山さんを見つける」
「……っ」
あ、また死んだ。
そのままの状態で言う。
「だから、見てるよ」
「っっっ!!」
最高に恥ずかしい。
こんな思い、生まれて初めてだ。