君の言葉を胸に
「はあーあ…」
「クスッ」
変なため息をつくと、後ろに誰かがいるのに気づいた。
ため息をしただけで笑われるって…どんだけダメ男なんだ、俺は。
後ろを振り返ると、そこには俗に言うイケメンがいた。
「………誰?」
「ひどいなー。同じクラスの原和田悠でーす」
クラスに興味ないと、イケメンがいたことにも気付かなかった。
「いっつもここにいるよね。空見てて楽しい?」
少し沈黙が流れる。
「……楽しく、ないよ」
空見てるだけなんて、楽しくない。
でも。
「落ち着くんだ、空」
彼はまたクスッと笑う。