君の言葉を胸に
多田さんは、ちょっと困った顔をした。
「なんなら今、松山さんに聞こうか?」
「いいっ!二人が話してるの見るの、私が嫌だから!」
その後多田さんは、はっと顔を赤くする。
「へ、へぇ…」
どういう反応すれば…。
しばらく黙っていると、多田さんが口を開く。
「好きです…。付き合って下さい」
出た、涙目。
怖い怖い怖い。
これだから女の子は怖いよ。
それに比べて松山さんは全然普通に…。
……なんで松山さんとは普通に話せるんだろう。
「ごめん。多田さんとは付き合えない」
「……諦めないよ?」
彼女のその言葉を聞く前に俺は走り去った。