君の言葉を胸に





しばらく松山さんは黙っていた。


でも、お茶を一口だけ飲むと口を開いた。


「野村はね、優しいよ。後、かっこいい」


………っ!!?


松山さん。


照れるよ、俺。


「好きになったきっかけは、野村に傘を借りたとき」


……傘?


貸したっけな……。


「雨の日なのに、傘を忘れた私に貸してくれたんだ。次の日、返そうと思ったら野村は休み。熱出したんだって」


んー。そんなことあったような、ないような。


「野村は、私が告白するまで私の名前を知らなかったの」


「え!!?告白したの!?」


松山さんはニコッとして頷く。





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