君の言葉を胸に
七節
付き合ってから、1ヶ月が過ぎた。
クラスの皆には、俺たちのことはすでに知られていた。
気が楽だ。
「野ー村っ」
「…松山さん。何?」
呼び方は変わらない。
これから先、お互いを名前で呼ぶことなんてあるんだろうか。
「ねぇね、今回の英語のテストどーだった?」
「……普通?」
「私、良かったの!なんと98点!」
「はっ!?すごっ!」
「ふふん。野村は?」
「……74点」
「そっかー。どこ間違ったの?」
「ここ」
「あー、ここね。間違いやすいよね~。ここは疑問文だから…」
前と比べて、会話が続くようになった。
いや、松山さんが一人で喋ってくれてるんだけどね。