君の言葉を胸に





繋いでる手に力が込められる。


「……野村」


「…ん?」


「恵……介…」


「………!!?」


今、名前で……!!


ますます顔が熱くなる。


もちろん、松山さんの顔も。


「ご、ごめんっ!今の忘れてっ!は、恥ずかしいから!」


松山さんは両手で手をブンブン振る。


繋がってた手が離れた。


少し悲しい気持ちになる。


俺はまた、松山さんの手を握る。


「………杏」


「…………っ!!」


……恥ずかしい。


見事に恥ずかしいぞ、これは。





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