君の言葉を胸に
原和田が屋上から出て行くと、気まずい雰囲気が流れる。
「………」
どうすんだこれ。
「………あのさ」
「は、はいっ!」
久々に敬語の松山さん。
「明日…動物園行くんだけど…一緒に行く?」
「いいのっ!?」
「うん。…家族もいるんだけど、いい?」
「…………へ?」
「母さんと父さんと姉と弟がいるんですが、よろしいでしょうか?」
「いや、そうじゃなくてね?え、いいの?私…」
「いいでしょ。…彼女なんだし」