君の言葉を胸に
どんなに願っても、変わらない現実。
松山さんの親に初めて会った。
松山さんのお母さんは、ただ泣いていた。
お父さんは、頭を抱え込み下を向いていた。
松山さんの両親と初めて会う場所が病院で、こんなカタチで会うなんて。
俺の家族も何も言わなかった。
今日来るはずの息子の彼女が亡くなったんだ。
家族の行動は、驚きを隠せていなかった。
「杏……。…杏!!」
松山さんのお母さんが、狂ったように泣き叫ぶ。
やめてよ、おばさん。
松山さんは、死んでない。
生きている。
そうなんだろう?