君の言葉を胸に





つか…


「多田って…」


「タタラだよ?」


やっぱり。


原和田、まだ多田さんと仲良かったのか。


うーん、気まずいなぁ。


実は、多田さんは俺が初めて殴った人。


理由はいつもとは違かった…気がする。


高校時代のことは、よく覚えていない。


ただ、印象的なのは原和田と多田さんと、もう一人の女の子。


その女の子は、笑って俺の名を呼ぶ。


「野村っ!」


少し頬を赤くしながら、俺にあの笑顔を向ける。


でも、名前だけがどうしても思い出せない。


原和田に聞いても、教えてくれなかった。





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