君の言葉を胸に
二節
「悪い、遅くなった!」
「あ、やっと来たー」
とある居酒屋に入ると、すでに女の子たちは来ていた。
多田さんの他に二人。
会ったことがない人だった。
「うそっ!野村くん来たの!?嬉しい~」
大人しくて、何を考えてるのか分からない雰囲気は前と変わっていなかった。
「え?誰ダレ?」
多田さんの友達らしき人が聞いてきた。
「こいつは野村。顔はそれなりにイイけど、スーパー素っ気ない」
変わりに答えたのは、原和田だった。
原和田に、高校生の頃のことはまだ聞けていなかった。
聞いてはいけないような気がしたからだ。