君の言葉を胸に
明は、凛太の持ってきた花を花瓶に入れる。
「恵介、結婚とかは?」
「まだ考えてない。彼女もいないし」
「そっかー。でも、まだ25歳だし、大丈夫よ」
うん、気にしてない。
「俺、彼女いたことないもんな」
「………あ、うん」
今、一瞬空気が重くなった。
え、なぜ。
今、俺、何か変なこと言ったっけ?
しばらく沈黙が続く。
「………」
「………」
「………」
「野村、大丈夫かー!?」
「!!?」
声のした方へ振り向く。
何?誰?
そこには、黒いスーツでバラを持った原和田がいた。