君の言葉を胸に
五節
「野村くん、これ、印刷よろしく」
「…はい」
俺は、相変わらず同じ会社に勤めていた。
社長に渡された書類を印刷した。
印刷した書類を社長の机に置いとく。
「………はあーあ」
「クスッ」
ため息をついて、笑われる。
これ何度目だろう。
後ろを見ると、爆笑している坂下さんがいた。
「坂下さん……」
「くくっ、野村のため息って、ほんとおかしいよね。ふふふっ」
坂下さん坂下さん、俺のため息で笑うの、やめてもらえないだろうか。