君の言葉を胸に





原和田は口を開いた。


「空を見てると悲しくなる。

とくにこんな空は。

苦しみ、悲しみ、そんな色だから。

でも、君と見てる空はそう思わない。

落ち着くんだ。

君がいるからだね」


「…………」


どうした、急に。


「あれ?何も言わないんだ?」


「…別に」


「はは。皆はね、俺がこういうこと言うと、変だって言うんだ」


「まあ…確かに。ちょっと変かも」


「やっぱそうかぁ…」


原和田は悲しそうな笑みを浮かべた。


なんで悲しそうなんだよ。


俺には、何も言えないのに…。





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