君の言葉を胸に
急に彼女は、正座をしてこっちを向いた。
「改めまして、多田紗菜。多田良の妹です」
「………へ」
まじで…?
「嘘だぁ…?」
「本当です」
紗菜が、多田さんの妹?
「……似てないね」
「よく言われる」
彼女は立ち上がって、ケーキを台所に持ってく。
恐らく、切るんだろう。
その間俺は、驚くことしか出来なかった。
しばらくして、紗菜がケーキを運んできた。
「食べよ」
「あ、あぁ…」
皿の上には、ショートケーキとチョコケーキが一切れずつあった。
「いただきまーす!」
「いただきます…」
先にショートケーキを一口食べる。
甘っ…。
ケーキって、こんな甘かったっけ?