天神劇場
さー、飛んで飛んで舞踏会!
「いやー、可愛い子ばっかりじゃん?ハーレム♪」
お前は王子を何だと思ってるんだ。
「実力も無いのに好かれる役得ヤロー」
身も蓋もないなっっっ!
「あ、俺シンデレラ探さなきゃいけないからジローに構ってらんないの」
頼んでないですけどぉおお!?
「さーて、可愛こちゃんは何処かなー?」
……あいつ自由過ぎて俺心配になるよ。
「おっ。噂をすればお嬢様!シンデレラー!」
「何ですの」
「一曲お相手願えますか?」
大袈裟なくらいのお辞儀がムカつくな。妙に様になってるだなんて思ってねぇよ。……思ってねぇよ!
「(うーん♪お嬢様も可愛いねぇ。まあ、体は今後の成長に期待だけど……)ったあっ!」
やーい。足踏まれてやんのー。
「あら、ごめんあそばせ。…今何か良からぬ気配を感じたんですの」
「へ、へぇ。……それにしても、可愛いねそのドレス」
あー、なんかピンクの、あれ何だっけ、…Aラインのやつだなー。
「とっても似合ってるよ」
軽っっ!
お、しかも彼処で睨んでる奴がいるじゃねぇか。ありゃあ……母親だな。
「(陽ってばまた鼻の下伸ばして……!ああ、もう、イライラするっ)」
「きょうこよぉ。おめぇ陽が気になるなら行ってこりゃ良いだろうが」
「はあ!?バカなこと言わないで!陽なんてどうでもいいわよ!」
「それにしては殺気駄々漏れなんだけどよ」
「ああん?」
「(…帰りてぇ)」