天神劇場


さー、飛んで飛んで舞踏会!


「いやー、可愛い子ばっかりじゃん?ハーレム♪」


お前は王子を何だと思ってるんだ。


「実力も無いのに好かれる役得ヤロー」


身も蓋もないなっっっ!


「あ、俺シンデレラ探さなきゃいけないからジローに構ってらんないの」


頼んでないですけどぉおお!?


「さーて、可愛こちゃんは何処かなー?」


……あいつ自由過ぎて俺心配になるよ。



「おっ。噂をすればお嬢様!シンデレラー!」

「何ですの」

「一曲お相手願えますか?」


大袈裟なくらいのお辞儀がムカつくな。妙に様になってるだなんて思ってねぇよ。……思ってねぇよ!


「(うーん♪お嬢様も可愛いねぇ。まあ、体は今後の成長に期待だけど……)ったあっ!」


やーい。足踏まれてやんのー。


「あら、ごめんあそばせ。…今何か良からぬ気配を感じたんですの」

「へ、へぇ。……それにしても、可愛いねそのドレス」


あー、なんかピンクの、あれ何だっけ、…Aラインのやつだなー。


「とっても似合ってるよ」


軽っっ!


お、しかも彼処で睨んでる奴がいるじゃねぇか。ありゃあ……母親だな。


「(陽ってばまた鼻の下伸ばして……!ああ、もう、イライラするっ)」

「きょうこよぉ。おめぇ陽が気になるなら行ってこりゃ良いだろうが」

「はあ!?バカなこと言わないで!陽なんてどうでもいいわよ!」

「それにしては殺気駄々漏れなんだけどよ」

「ああん?」

「(…帰りてぇ)」




< 13 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop