天神劇場
さてしかし、そんな心配も必要なかったようで。
王妃様は小屋の前へとやって来ました。
「こんこん」
「……って、何故口で言った?」
「あんたじゃないのよ。白雪姫は?」
空気を読まずに出てきた龍太郎には目もくれず。
「なにー?」
「林檎をおひとつ如何?」
「んー、じゃあ貰う」
「はい」
王妃様が白雪姫に手渡したのは、毒々しい紫の林檎。
「僕こんなの食べるの嫌なんだけど……」
「死にはしないわよ」
「……本当に…?」
とまあ、そんなことを言っていても仕方がない。
はい、白雪姫食べて。
「……うん」
嫌そうな顔で恐る恐る林檎を口に含んだ白雪姫。
「……まっず!」
「倒れなさいよ!」
「ぶっ!!」
王妃様の放った回し蹴り……いやいや、毒林檎のせいで白雪姫は死んでしまいました。
「いや、気絶してるだけだぞ」
「いいのよ、どっちでも」