天神劇場
「こはく……何だその格好は」
「これ?可愛いよね…ちょっと恥ずかしいけど」
「こはく!恥ずかしがることなど無いぞっ!よく似合っているではないか」
「えへへ…本当ですか?」
「うむ!私はどこぞの侍と違って嘘は吐かないからな!」
「そうですねぇ。寅柄のビキニにショートパンツ。そしてファーのレッグウォーマーですか」
「誰に向けての説明すか」
「よくお似合いで……頑固侍には勿体無いですね」
「ふふ…ありがとうございます」
……あの、何か痛いんですけど。刃先が食い込んでるんですけど。
「奥方のイヤーンな姿見られてご立腹ッスか」
「黙れ」
……あの、視線で人を殺せそうなのが居るんですけど。寧ろ桃太郎が鬼みたいなんですけど。
「貴様等は帰れ」
「…は?」
「いきなり何を言い出すんでしょうね、この馬鹿侍は」
「奥方一人占め作戦?」
「もう、すーったら…」
とか言いつつ奥方も満更でもなさそうなんですけど。もう突っ込むの疲れた。
「いや、私はこはくともっと一緒に居たい!」
「ふざけるな」
「ふざけてるのはお前だ夕城」
「俺のこはくだ」
「私のこはくだ!」
「じゃあ飲みに行きます?」
「おお!それが良い」
「ふざけ……」
「僕も良いですか?」
「当たり前だ!こはくが居なくてどうする」
「わー、ありがとうございます。…すー、良い?」
「……む」
「結局弱いんスね」
「五人で飲むのは久しぶりだな」
え、俺は!?ねぇ、イジメ!?イジメじゃんっ!!
「さあ、行くか」
置いてかないでぇえぇええ!!
*
(何だかんだ言ってアイツ等が一番問題なんじゃねぇの?)
(ししょー…)
(仕方ねぇ。桃、食うか)
(食う!)
フルボッコは今日も続く