天神劇場
海の中。
ユラユラと泳いでいる女の子。
それはそれは美しく、慎ましい人魚のお姫様……って、琉さんっ!
「あ、何や?」
あなた人魚姫なんですのよ?
「………で?」
……もうっ!だから、ジャ〇プを読みながらコーヒー牛乳を啜るのはお止めなさいな。
「ええやんけ別に」
良くありませんわっ!
『今日の目標は明日の美』
見た目が美しいだけでは、真の美を得たとは言えませんの!
「な、熱い……」
いいですか?女性たるもの、常に美しくあらねばならないのです。一日でも忘れれば、それを取り戻すのに三日かかるんですのよ?『今日の目標は明日の美』つまり『昨日の目標は今日の美』そして『明日の目標は未来の美』ですわ!!それなのに琉さんはですね……、
「長いぃいぃいぃ!!そして何か申し訳ない気持ちになってくるぅうぅうぅう!!」
「ちょっと、あなた」
「……あ、お姉さんやん」
「…ま、そうだけど……あの子は私に任せて魔女のところへ行きなさい」
「え、いきなり?こう、『ああ、どうしても人間になりたいわ!』……とかいうのないん?」
「ないわ」
「バッサリやなぁ。まあ、ええけど。なら、行ってくるわ」
そもそも『美』とは……、
「はいはい、そうねー」