天神劇場



「大丈夫?」

「ああ……赤ずきんや。もっと近くに寄っておくれ」


そう言って狼は赤ずきんを誘います。


「ええ、でもおばあさん?どうしてそんなにダミ声なの?」

「風邪をひいてるからだよ」


なんて最もらしい嘘。


「あら、おばあさん?どうしてそんなに耳がフサフサなの?」

「これがアイデンティティー」


やはり気に入っているんでしょうか。ぐふふっ。


「まあ、おばあさん?どうしてそんなに髪が輝いているの?」

「赤ずきんだって青色だろうが」

「放っておいて」


赤、青、金。カラフルですねぇ。クスクス…っぷくくく、うひゃひゃぐっ。


「ねぇ、おばあさん?どうしてそんなに口が大き……いような気がするの?」


「それはね、お前を食べるためだよ赤ずきん!」


ぷくくく、狼っが、赤ずきんに…おそっ、襲い掛かりましったっ!


「笑いすぎだろっ!!」


ぐふぐへっ。ひゃひゃうひゅっ!




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