箱庭ラビリンス
第七楽章【子供の足掻き】
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あり得ない程に血液が身体中を駆け巡り脈を打ち続ける。
それとは反対に体温の機能が徐々に低下していき、冷たくなっていく。呼吸も浅くなっていく。
落ち着けと念じ続けるも効果はなく、冷や汗まで出てくる始末。やっぱり私は弱い。
だが、逃げはしない。出来もしない。ここで逃げればまた同じ事の繰り返しになってしまう。
逃げて繰り返すなんて、もう嫌だ。
それくらいなら、傷ついた方がまだマシだ。私は、自分がこれ以上自分を嫌いになりたくなかった。
何かを逃がさないように、手を握り込んで顔を上げた。
「まさか未来から僕に会いに来るとは思わなかった」
「……私も、思いもしなかったよ」
だから、戦うんだ。