箱庭ラビリンス
第八楽章【眠りにつける場所】
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あれから数日経った今日はやけに変だった。
曲が耳に入ってきて、私は少しふわふわと気持ちが浮きだっている。
これは、何だろうか。頭がボーッとして瞼が閉じる。
ああ、そうだ。これは……。
「……」
よく分からないけれど、きっと私は眠っていた。起きてもすぐに頭が回りきらない特有の感覚。
窓の外を見れば真っ暗。真っ暗になる前には大抵帰るのに私はこんな時間まで眠っていたというのか。
そんな風に窓を見つめる視界に入り込む人。覗き込むようにこちらを見ていて、少し苦笑している。
「起きた?」
「うん……おきた。……っ!?う、あ……!」
まだボーッとしていたが、ようやく今居る場に気付き慌てて立ち上がった。