箱庭ラビリンス


学校で、音楽室で、私は眠りに落ちていたのか。


いや、それよりも自然と眠っているなんて今までなら考えられなかった。


「?」


思わぬ事態に唖然と考え込んでいれば、彼は首を傾げた。


「疲れてた?」


「……分からない」


本心だった。いつも寝れないからそんな感覚分からなくて。


ただ、でも……安心した。のかもしれない。憶測だから分からないけど、何だか気分はスッキリしていた。


一度彼に謝り立ち上がる。そわそわと髪を直して、無意味に埃を落とすようにスカートを掃った。


そうして、音楽室から出た。


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