箱庭ラビリンス
とりあえずこのままでは授業すら受けれない。一端帰って洗わないと。
「どうしよう……本当にごめんなさい!」
「いや、大丈夫。洗いに帰るし」
「でもそれアクリル絵の具だから普通にやっても取れないです……」
と、言われても洗う他ないのだ。
「あ!シャワー室!シャワー室で髪洗ってる間、私制服洗いますから!行きましょう!」
「え……」
返事もしていないのに驚くべき速さで彼女は駆け出していって、すぐに見えなくなってしまった。
周りからは青い絵の具を被っている為好奇の目が集中する。
どうすれば……。
「おはよう。……もしかしてそれ絵の具?」
立ち代わるように、登校してきた彼は直ぐに私の青いものの正体に気付いた。