箱庭ラビリンス
目が合えば、ニコッと屈託のない笑みで笑う。
「未来さん、ですね。私は桐谷絵美(えみ)と言います」
きりたに……?
聞き覚えのある名前に首を傾げる。
そう多くないその名前。
いや、でもそんな筈はない。胸のラインは私と同じ学年を示しているし……双子……?でも、血が繋がっているにしては似てない。
思い過ごし、只の勘違い。思ってみても、先に会った彼が頭から離れない。
あの、呆れた彼の表情。
「と、とれたぁ!良かったぁ~~」
ホッとする彼女に気付いて意識を戻し、とりあえずその事を考えるのを止めにした。