箱庭ラビリンス


不思議そうな顔を浮かべ、私の顔をマジマジと見つめるも、すぐにニンマリと笑顔を浮かべる。


窓から運ばれた風が、雑誌のページを数枚捲った。


「それは、駄目な事なの?」


分からないけど、駄目な事だと私は思っている。だから菜穂姉に告げた。楽な方に逃げるのは弱いからなんじゃないのだろうか。


「逃げちゃ駄目なの?未来ちゃん一杯頑張ったじゃない」


「……」


逃げ続けていた私はまだ逃げていいのか?頑張ったからって逃げていい問題なのか?


「頑張り続ける事がいいとは言わないし、逃げるのが駄目とも私は言わないわ」


「……」


「嫌だったならわざわざ自分の首を締める必要なんてないもの」


だから耳を塞いで目を塞いで知らないふりをしてもいいのか?


溜まった問いに返すのは、誰か。他でもない私。


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