箱庭ラビリンス
第三楽章【心の叫び】
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「っ!?」
飛び起きるように目を覚ましたのは自室。
閑散とした生活感のない部屋。広すぎるその部屋は私の身に余っていた。
自分の姿を見れば制服ではなくて、いつも寝るときに着る緩めの服になっていた。
帰ってきた覚えも着替えた覚えもなく、記憶を遡り始める。
私は……教室から走って……走って?走った後でどうなった?思い出せない。
と、ふとこの部屋に人の気配がある事に気づいた。
誰かいる?
ギュッと身構えた時、部屋のドアが開いた。
「未来……」
何で?何で?何で!
疑問しか思い浮かばない。
「か、あさん……」
どうしてここにいる?