箱庭ラビリンス
久しぶりに見る顔に懐かしさなんて覚えなくて、母への愛も感じなくて、残っていた憎しみだけが再び火を灯し始める。
「学校で意識を失ったって聞いて……」
憎い。母親面した人が只管に憎い。
「……あの事が関係してるんじゃないかって思って」
気を使ったように控えめに言う。
負い目を感じているようにしか見えなくて、ギリギリと歯を食いしばった。
「意識を失うときは決まってそうだって聞いてたから」
何が分かる?分かろうとも、気づいてくれようともしなかったくせに。
「もう終わったのよ。だから…「黙れ!僕がこうなったのもアンタのせいだ!出ていけ顔を見せるな!僕はアンタの子供だとも思っていないんだから――っ!!」」