箱庭ラビリンス
棚の中を漁っても出てくるのは調味料ばかり。
それと……お粥に使われなかったであろう米。米など置いていなかったからあの人が持ってきて置いて行ったのだろう。
インスタント食品も丁度朝のが最後だったから今日の帰りに買おうと思っていたのを思い出した。なのにこの有り様だ。
今からスーパーなどに行くのは億劫で、けれどお腹は空いていて、仕方がないので残された米で何とかすることにした。
お粥を棄てた手前、やっている事が支離滅裂だがあの人が作った料理は食べたくないのだ。
とりあえず、ある分を一気に炊いておいてしまおう。
鍋でも何とかなるだろうと米を研ぎ始めると水がやけに冷たく感じた。