箱庭ラビリンス


いつ私がそう言った?言ってもない事をグダグダ口にして。勝手に決めつけて腹が立つ。


「分かってもいないくせに分かったように喋るな!」


上手く感情の制御ができない。いつもそうだ。必死にもがいて抵抗しようとすると頭が熱くなる。


教室が一瞬にして静かになったが、そんな事どうだっていい。


「っ、な、何がよ!?」


「何をしたいのか分からないけど一々僕に構うな!ウザったい!」


「はぁ!?意味わかんないし!そう言う所が可愛くないの!」


「だから何だ!?昨日から可愛くない可愛くないって、そう言うお前は可愛いのか?!言ってみろよ!」


「っこの!」


来る。と思い切り目を瞑れば、肌と肌がぶつかり合う乾いた音が静寂の中に響いた。


「った……」


痛くて熱くてビリビリする。



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