箱庭ラビリンス
私の隣に彼。正確には隣よりやや後ろになるがほんの僅差だ。
本当に言葉の通りのようで、学校からそれは続いている。
悪いなと気にしながらも、人通りの少ない場所を歩いていた。
「いつも人気のない道歩いて帰るの?」
コクッと頷く。
「この道筋なら向こうの通りの方が安全だと思うよ」
それは私も知っていた。けど、人混みなどは学校で十分なのだ。行きや帰りくらい、閑散とした道を歩きたかったのだ。
と、前から人が歩いて来たので極力端に寄る。
「うーん……」
私の様子で察したかのように困ったように唸りをあげる声が聞こえた。
「防犯ブザーくらい持ったらいいんじゃない?」
真剣のように聞こえる提案に、そこまで危ない道じゃないだろうと言いたくなったが、丁度目的であったスーパーに着いた。
言っていなかったが、今日もまたスーパーへレトルトやらインスタントやらを買い求めに来たのだ。