箱庭ラビリンス


仕様なのか、照明が薄暗いカフェのような店に来ていた。一つ一つが個室になっていて他の店に比べてとても落ち着く場所だった。


目の前にはケーキやら何やらが並んでいる。全て菜穂姉が頼んだものだった。


「で、何かあった?」


ちょっとずつ、それらを口に運んでいた時、まるで今朝の続きのように聞いて来た。もう既に昼を回っているが。


今更掘り返すのかと思いながら、前回菜穂姉が来た日から今日までの事を少しずつ話し始めた。


声が震えながらも、桐谷音弥(名前は伏せて、ある人と言った)と関わるようになった事、母さんが家に来た事を簡潔に話した。


何ら変わりない。いつも通りの会話。



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