箱庭ラビリンス
---
コールは数回で途絶えた。
「も、もしもし……未来ですけど」
『あらあら、未来ちゃん!どうしたの?どうもしなくても電話してくれて構わないんだけどね!』
掛けた場所は叔母さんの家で。用事があったのは菜穂姉。
「うん。あの、菜穂姉は?携帯が繋がらなくて……」
『それがねぇ、聞いてくれる?あの子ったら携帯を手から滑らせちゃった瞬間自分の足で蹴って、タイミングよく車に踏まれちゃったのよ』
「そ、それは災難だな」
『でしょーー?あ、今菜穂に変わるわね。菜穂ーー。なーほー!』
一人が嫌で話をしたくて、そんな感じで菜穂姉と連絡を取れば来てくれる事になった。
相変わらず叔母さんは元気一杯といった感じで、ほんの少し元気を分けてもらえた気がした。