箱庭ラビリンス


それからそう時間も経つ事無く菜穂姉がやってきていた。


「菜穂姉、明日も仕事なのにごめん」


「全然大丈夫よー。けど、もうちょっと深刻かと思って心配してたんだけど思いの外元気そうで良かったわ」


と、ズルズルとカップ麺を豪快に啜る。いつも通りだ。


「例の子かな?原因は」


「ん……」


違うとも言い切れずそうとも言えなかった。何だかくすぐったい。


「でも、ちょっと厄介だなーー。何で今更……」


「……」


「このままアイツが何もしてこなきゃいいんだけど……」


そうだな。と返事を返すばかり。


根本的な解決法は誰にも分からない。解決など出来ないのかもしれない。



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