光を背負う、僕ら。―第2楽章―
見るとそこには、クラスは違うけれど同じ学年の女の子が落ち着かない様子でカウンターの傍を歩いていた。
何度も同じ場所を行ったり来たりしてうろついている。
…緊張。
そんな彼女の表情には、その言葉がとても当てはまる。
隠れる必要などないのに、思わず隠れたまま女の子の様子を観察していた。
――ガラッ!
そうしていると再び扉が開いた。
しかも今度はさっきとは違って、大きな音を立てる乱暴な開き方だった。
そうして開いた扉から、これまた同じ学年の男の子が入ってきた。
……あれって…。
「あっ……来てくれてありがとう。急に呼び出しちゃって、ごめんね?」
「……」
後ろ手で扉を閉める男の子は女の子の言葉に返事をすることもなく、女の子の前に立つ。
その瞬間、女の子の顔により緊張が増したのが遠目でもはっきりと確認出来た。
でも男の子の顔は本棚が邪魔をして、表情までは確認することが出来ない。