光を背負う、僕ら。―第2楽章―
二人の間に流れるのは、重苦しい沈黙。
その沈黙に混ざって女の子の緊張が、離れているあたしにも伝わってくる。
これって、まさか…。
呼び出し。人気のない図書室。
この場の状況から大体のことに察しがつき、本棚の角から出していた顔を急いで引っ込める。
そして本棚に背中を預けてしゃがみこんだとき、空気が揺らいだ。
「多分、呼び出した時点である程度気付いてると思うけど…。
……あたし、ずっと前から真藤(しんどう)君のことが好きだったの。
もし良かったら……あたしと付き合ってください!」
「………」
……告白。
それはあたしの予想した通りの展開だった。
声を漏らさないように口を塞いだ手が震える。
どうしよう…。
あたし、今さらだけどここにいても大丈夫なのかな…?
他人の告白シーンなんて初めて見るから、こういうときの対処法なんて分からない。
ここにいちゃダメな気はするけど、今からこの場を離れることも出来ない。
とにかく今は自分の気配を最大限に消して、二人に自分の存在を気付かれないようにするだけで精一杯だった。