光を背負う、僕ら。―第2楽章―



「…悪いけど、おまえじゃ無理だから」




息を押し殺している中で、空気がもう一度揺れた。



感情のこもっていない冷たい声に、背中がゾクリとする。




「…そっ、そっか。はっきり断ってくれて……ありがとう」




顔を見なくても、女の子が泣きそうになるのを必死に堪えているのが分かる。



もしかすると、もうすでに泣いているのかもしれないけれど。




…どうしてだろう。


胸が締め付けられるように痛い。



自分では気付かないうちに、フラれてしまった女の子に感情移入してしまっていた。



…きっと、女の子はあの男の子のことが大好きで。


気持ちが抑えられないぐらい溢れてきたから、勇気を出して告白したんだよね…。



そういう想いがあんな風に跳ね返されたら……きっとつらい。



好きな人の言葉が与える影響ってとても大きいから、余計にそう感じているはず。



そんな気持ちは、告白したことがないあたしでも分かるから……。



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