光を背負う、僕ら。―第2楽章―
「あっ、あの…!
あたしのこと好きになってくれなくてもいいから、友達にはなってくれないかな…?」
フラれたショックですっかり言葉を失くしてしまったと思っていた女の子だけど、しばらくすればそんなことを口にしていた。
この女の子……けっこうすごいかも?
「……そう言われても困るんですけど。俺、おまえと友達になる気なんてこれっぽっちもねぇから」
「……っ!」
まるで自分に向かって言われたように、言葉が胸に突き刺さる。
…きつい。
さすがにここまで言われると無理かもしれない。
強そうに思えた女の子もこれには耐えきることが出来なかったらしく、嗚咽を漏らしながら逃げるように走って図書室から出ていってしまった。
遠ざかる足音が、虚しいほどに響いている。
「………」
女の子がいなくなった図書室は、もとの静寂を取り戻していた。
だけどあたしの気まずさは変わることなく、男の子に存在を気付かれないように口を覆ったままだ。