光を背負う、僕ら。―第2楽章―
「告白のテクニックとか、あたしにはよく分からないよ…。普通だったとは思うけど」
「えー、なんかつまんない。マリナちゃんがどんなテクニックで男を落としてるのか知りたかったのに」
「……」
「こらこら、明日美。佐奈だって好きで聞いちゃったわけじゃないんだから」
あたしの話を面白がって聞いてくる明日美と聞くのを躊躇っている流歌では、こういうときの反応が全然違う。
そんな二人のやりとりを苦笑いして聞きながら、言葉を続けた。
「…相手の男の子は、真藤君だったよ」
一応周りのことを気にして、さっきまでよりも声のトーンを落として二人にだけ聞こえるように呟いた。
「「えぇっ!?」」
「ちょっと!二人とも声が大きいってば…!」
だけどそんなあたしの気遣いも、二人の同時に上げた驚きのせいで無駄となる。
教室にいた人達が、チラチラとこちらを見ているのが伝わってくる。
幸いなのはマリナちゃんがこの教室にいないことと、同じクラスである真藤君が今は教室にいないことだった。
この二人に話しちゃって、本当に大丈夫だったのかな…。
なんだかもう、不安しか残らない。