光を背負う、僕ら。―第2楽章―



「告白したのがマリナちゃんだってことにも驚いたけど、その相手が真藤君だってことにも驚きだよ」


「ほんとほんと。まさかマリナちゃんも、真藤君にまで告白するなんて…」


「えっ、何?どういうこと?」




困惑しているあたしだけを取り残して、二人は腕組みをしながらやけに感心したように頷いている。



…ちょっと、あたしも話に入れてよ!




「もしかして佐奈、真藤君の噂も知らないの?」


「真藤君の噂…?何それ」


「あちゃーっ。まさか佐奈がここまで噂に疎いとは思わなかったよ~」




流歌が聞いてきたことへの返事に、何故か明日美の方が反応して驚いている。



流歌を見ると、苦笑いしているようにも呆れて笑っているようにも見えた。



二人揃ってそんな反応しなくても…。



つくづく真藤君に言われた言葉が、沁みるように心に響いてくる。




「真藤君の噂は、マリナちゃんの噂の次ぐらいに有名だよ」


「…どんな噂なの?」




何にも知らないあたしに、流歌がていねいに説明してくれた。



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