光を背負う、僕ら。―第2楽章―
「佐藤君、良かったね!その夢、すごく佐藤君らしくて素敵だよ!」
「ありがとな、麻木。
麻木に色々と話したから自分の気持ちに素直に向き合うことが出来たし、本当にやりたいこともちゃんと見つかったんだ。
…本当に感謝してる」
「あたし、感謝されるようなことは出来てないのに…」
サッカーが好きだって気持ちは、ずっと伸一の中に眠っていた本音。
それに伸一が気付くことが出来て、本当に良かった。
サッカーが大好きな伸一には、とてもぴったりな夢だと思う。
幼い頃から楽しそうにサッカーをプレイする伸一を見てきたから、余計にそう思えるのかもしれない。
「夢が決まれば、ご両親もきっとお兄さんたちと比べたりしないで、佐藤君自身を認めてくれるよ!
もう夢のこととかは話したの?」
「実は……もう親には全部話したんだ。夢のことも、進路のことも。
…それに、兄貴たちに比べられて嫌だったって思いもすべて」
「えっ…」
思わぬ行動の早さに驚いてしまう。
伸一は真剣な瞳で……でも、嬉しそうに話してくれた。