光を背負う、僕ら。―第2楽章―



親って、ときどきとてもわがままだなって思う。



「こうしなさい」とか「ああしなさい」って口出しするのに、いざ頼ったときには「自分で考えなさい」って言うのだから。




それは子供の将来の夢に対しても同じこと。



「好きにしていいよ」とか「やりたいことをすればいい」って言うのに、いざ夢を打ち明けると「それは無理だ」って反対する。



あたしたち子供は反対されて嫌気がさして、それに反抗しちゃうものだけれど。



……それでも、本当は親の気持ちを受け止めているんだよ。



分かっているんだよ。どうしてその夢じゃダメなのか。


困難なことに挑戦しようとしてることは分かっているの。




……だけど、それでも飛び出してみたいんだよ。



無限の可能性がある世界に、子供の頃からかき集めた眩い光を腕に抱いて飛び込んでみるの。



憧れから生まれた光だけでは、親が知っている大きな闇に包まれた広い世界を照らして歩くことは出来ないのかもしれない。



でも、大人になりきれない未熟な子供でも、出来ることがあるんだよって知ってみたい。



自分の力で目指して、突き進んでみたいんだよ。




だから、あたしたちは。


地図もない道を、無謀にも歩こうとしてるの。



< 123 / 485 >

この作品をシェア

pagetop